大学教授も障碍者もLGBTも幼児も年寄りも子供も・心のよりどころ 『市民ミュージカル』

東京都・北区市民ミュージカル『王子の狐・願いの石』

実は10数年前から東京都北区のとある市民ミュージカルに関わっています。

きっかけは作曲者からの推薦というか、お声がかかり、立ち上げ途中から関わりました。
当初は2〜3年に一度の割合で2000人ホールでの公演。常にチケットは完売のためリハーサルを有料にて提供することもありました。
オーケストラボックスを少し下げて、ベーゼンドルファーのフルコンを思い切り弾かせてもらい、ジョイントが和楽器バンドのこともあれば、シンセサイザーが入ったり、観たこともない鳴り物など普段お目にかかれない様のこともありました。
演者ではない講師兼オケの我々も、役者として和服でセリフを演じたり、それはもう楽しいことだらけのやりたい放題?!

その間関わった方々は数百人。舞台に100人以上のフォーメーションの時もあれば、アクロバット並みのパフォーマンスを見せるキャストや、指導にあたる日本舞踊や長唄のプロが舞台で演じてくれることもあり、それはそれは、楽しく有意義なお仕事でした。

そこに集うのは2歳から90歳手前の方までの一般市民。大学の先生から障碍者、LG、ありとあらゆる、とにかく全ての人が一つになって創り上げる善意と良心でできた町おこしの舞台。当時の生徒さんも招待し、圧倒されたという感想を頂きました。

コロナ禍以降は大きなイベントも自粛傾向にあり、パタリと再演の道は閉ざされていますが、合唱祭や地域のイベントなどの時は、元キャストには招集がかかり、我々も指導と伴奏を頼まれ、舞台で独特のパフォーマンスを見せる事ができます。

作曲者兼指揮者は数年前に倒れ、車椅子生活となっても、アイパットと指揮棒を持ち、相変わらずのダジャレの連発。

市民ミュージカルに詳しい人に聞くと、そもそも、創作ミュージカルはマイノリティの拠り所と言われ、学校に行けない小中高生や知的障碍者、人生経験の豊富な高齢者などを含む様々な人が、親子のような縦のつながりではなく、知り合いの大人と子供の様な『斜めのつながり』によって、心を育み、互いの良いところを評価し、助け合って、目標を達成する。そんな醍醐味があるといいます。

東京のような都心より、地方での公演の方が盛んに開催されると聞きます。人同士の縦のつながり、横のつながり、斜めのつながり。

古き良き日本の昭和の頃の長屋住まいの様な互いが互いを受け入れられる日常と心のつながり。オンライン上に互いの趣味嗜好の合うもの同士の、繋がりを得る事ができる時代にあってもリアルな繋がりを大切にし、個を大切にしつつも、譲り合い、助け合う気持ちになることを忘れないことで、心の繋がりが得られる若者が増えることを祈り、
市民レベルでのこういったミュージカルなどの催しが消えないで欲しいと願いたいです。

この記事を書いた人

ピアノ教室専門ホームページ集客アドバイザー

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